FC2ブログ

ザ・絵本で漫才!

9月になり、
学校も2学期がはじまりました。

わたしが学校司書をしている小学校では、
秋に読書イベントがあります。

今年は、あらたな取り組みに
チャレンジすることになりました。
その名も「ビブリオ漫才」!

以前、大阪市立図書館の
「書評漫才グランプリ」という、
ユニークな取り組みについて知り、
とてもおもしろそうだなあ~
と思ったのがきっかけです。

「書評漫才グランプリ」では、
2人もしくは3人でチームを組み、
1冊の本を、3分間の漫才で
紹介します。

大阪市立図書館で行われた
書評漫才グランプリの優秀作品の動画を
子どもたちといっしょに見たところ、
みんな大ウケし、
やってみたい!というツワモノが続出。

こうして、わが小学校でも
開催することになったのです!

わたしも子どもちたちに負けじと、
大阪市立図書館のHPで
漫才のコツを学び、
ネタ作りに挑戦してみました。

これがそのネタです。


A:今日は絵本を1冊紹介したいと思います。
B:さっそくか。で、本のタイトルは?
A:
『うっかりおじさん』
(エマ・ヴィルケ 作・絵 
きただい えりこ 訳 朔北社)
です。

『うっかりおじさん』

B:絵本におっさん? 
みょうな組み合わせだな。
A:そんなことないですよ。
○○先生や△△先生だって、
よく絵本の読み聞かせを
してくれるじゃないですか。
B:おいおい、しつれいだぞ……。
先生方、まだまだお若いですよ! 
で、どんな話なんだ?
A:おじさんが出てくるんですが……。
B:そりゃ、見ればわかるだろ!
A:めがねをなくしちゃったので、
さがしてほしいそうです。
B:めがねか……。

めがね

おっ、あったぞ。これか? 
ためしにかけてみるか。それっ!

ぼや~

あれっ、絵がぼけて見えるぞ!
A:ボケるなら、絵じゃなくて、
漫才でしてもらえると
ありがたいんですが……。
B:ボケはおまえだろ!
A:そうでしたっけ?
B:もういい。で、おっさんは、
今度は何をさがしてほしいんだ?
A.ハエです。
B.は? ハエ?
A.はい、これです。

チョウネクタイ

B.って、チョウネクタイじゃないか!
A.はい。スウェーデン語では、
「ハエ」と「チョウネクタイ」は、
同じ言葉なんです。
B.へえ~、そうなのか。
でも、日本語じゃ、
「ハエ」と「チョウネクタイ」は、
ぜんぜんちがう言葉だろ。
どうやって日本語にしたんだ?
A:それは読んでのお楽しみです。
B:うわー、めっちゃ気になるー。
A:では、おじさんがつぎに何をわすれるか
あてたら教えてあげます。
B:よし! 
ハエある栄冠を勝ちとってやるぜ。
こたえは……パンツ!!
A:あー、おしい!
B:おしいんかい!? 
いったいどういう絵本なんだよ。
あやしい絵本じゃないだろうな?
A:そんなんじゃありませんよ。
思わず笑っちゃう、ゆかいな絵本です。
ああ、こういうことあるある、って。
B:めがねにパンツわすれるのが
よくあるんかい。ボケ老人か!
A:先生方、読めば、
ボケ防止にもなりますよ!
B:先生にすすめんのかい!
A:もちろん、みんなで楽しめますよ。
1年生からボケ老人まで。
B:ボケ老人はよけいだ!
A・B:ぜひ読んでみてください。
どうもありがとうございました。


いかがでしたでしょうか?
ネタ作りは、むずかしいけれど、
おもしろいですね。

ネタの出来はともかく、
絵本は文句なしにおもしろいですよ!
ぜひ読んでみてください。


校内ビブリオ漫才で、
子どもたちがどんなネタを披露するのか、
今から楽しみです♪



(絵本の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)
スポンサーサイト



テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

さくらがつなぐ出会い

春は、出会いの季節ですね。
満開のさくらの下で、
あたらしい世界に
ドキドキしている
新1年生も多いことでしょう。

わたしも、図書館司書として、
4月からあたらしい学校にうつりました。
子どもたちに楽しい本を
たくさんとどけたいと思います。


今回紹介する本に出てくる女の子にも、
そんなあたらしい出会いがおとずれます。

"Hemlig"(「ひみつ」
ローセ・ラーゲルクランツ 作・
トルド・ニイグレーン 絵
Opal社)


Hemlig 表紙

表紙にえがかれているのは、
赤いさくらんぼのなっている
さくらの木と、
主人公の女の子。
(男の子じゃないですよ!)


ある島にかくまってもらいながら、
お母さんとひっそり暮らしています。
名前も素性も、ほとんどひみつ。

じつは、女の子とお母さんは、
母国をのがれてやってきた難民でした。
でも、あたらしい国での居住許可が下りず、
もといた国に送り返されることに
なってしまったのです。

そこで、警察に見つかって
強制送還されないよう、
こうして身をかくしているのでした。

女の子の暮らす家の庭には、
大きなさくらの木があって、
女の子は、お母さんの目をぬすんで、
この木にのぼるのが楽しみでした。


スウェーデンにも
さくらはあります。

開花の時期は、
日本よりもすこしおそく、
4月のおわりから、
5月のはじめにかけて、
しろい、きれいな花がさきます。

スウェーデンの桜



さて、あるとき、女の子は、
となりの家の男の子に
姿を見られてしまいました。

二人はやがて、
だいのなかよしになります。
女の子には、
いっしょにさくらの木にのぼる、
友だちができたのです。

でも、男の子が学校に行ったり、
ほかの友だちとあそぶときは、
女の子はひとりぼっち。
ひみつにしていなくては
ならないからです。

そんな女の子にも、
やがて春がおとずれます。

もとの国でつかまっていたお父さんが、
女の子とお母さんのもとに
もどってきたのです。

女の子は、
かくまってくれている女の人の
はからいで、
学校にも通えるようになりました。

もちろん、名前も素性も
ひみつのままですが。

こうして、
新一年生になった
女の子は、
なかよしの男の子といっしょに
学校へと向かっていきます。


みんなのように、
入学式で入学するわけではないけれど、
こんなふうに学校に通いはじめる子も
いるんですね。


あまり知られていないですが、
じつは日本にも、
この女の子のような人たちが
います。

ほかの国から逃れて
日本にやってきても、
受け入れてもらえず、
つかまって、
強制送還されるのを待つしかない
人たちがいるのです。


こうした絵本が、
そのような目に見えにくい問題に
光をあてるきっかけになると
よいなと思います。



(絵本の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

とっておきの節約術、おしえます!

今年ものこりわずかとなりました。
なにかと出費の多い
年の瀬の時期、
おさいふがピンチという方は、
こんな方法で
楽しく乗り切ってみては
いかがでしょう?


"Veckan före barnbidraget"
(「子ども手当の前の一週間」)
Elin Johansson 作
Ellen Ekman 絵
rabén & sjögren 社)

表紙

スウェーデンには、
barnbidrag(子ども手当)という
制度があり、
16歳以下の子どものいる家庭に
毎月1050クローナ(約1万5千円)が
支給されます。

この絵本に登場する
「わたし」のお母さんは、
barnbidragが支給される前の一週間、
家計が苦しい中でも、
ユーモアあふれるアイディアで
乗り切ります。

たとえば……

気分は宇宙飛行士?

やぶれた長ぐつにも
銀色のテープをはってなおせば、
宇宙飛行士がはくブーツみたいに早変わり。
これで、しばらくはもちそうです。

でも、やっぱり
わたしはあたらしいのがほしいかな……。


映画館に行くかわりに
図書館へ行けば、
映画を一本見るよりも
たくさん本を借りられてお得。
しかもタダ!

でもやっぱり
わたしは映画に行きたいかな……。


ソーセージはおるすばん

今日の夕ごはんは、
ソーセージとマカロニのはずですが……
ソーセージが見当たりません。
「ソーセージは、お店でおるすばんなのよ」
と、お母さん。


よく日は、おうちで宝さがし。
家にあるお金をかきあつめて、
お菓子を買いに行きました。
おつりを、お店の前で
物乞いをしていた女の人にあげたら、
とてもよろこんでくれました。

小さなしあわせ おすそわけ


barnbidragの日まで、
あと一日。
けれど、お母さんは、
とうとうつかれてしまいました。

ソファに横になって、
「あれが食べたい。これをしたい。
どこかに行きたーい!」

そこで、わたしは、
「じゃあ、とっておきの
遊園地に行こう!」
と、お母さんを連れ出して……

ふたりだけの遊園地

やってきたのは
小さな公園。
お母さんとわたし、
ふたりだけの遊園地です。

明日は、
待ちに待ったbarnbidragの日。


つらいことや苦しいことに
ぶつかっても、
ちょっと見方を変えてみることで、
ふと心が軽くなったり、
前向きになれるのかもしれないと
教えてくれる絵本です。



(絵本の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

講演会ふりかえり

前回の記事にてお知らせしました、
絵本作家Emma Virkeさんの
講演会およびワークショップは、
無事に終了しました。

お越しくださいました皆さま、
ありがとうございました。


講演会では、
社会の動きを反映した
スウェーデンの絵本についても
話していただきました。

今回のブログでは、
Emmaさんの講演について、
わたしが後日お聞きしたことも含めて、
ご紹介したいと思います。


難民や移民の人たちが
大勢やってきていることを受け、
スウェーデンの絵本にも、
難民や移民の人たちを描いた作品が
多く登場するようになってきました。

講演では、
そうした作品のいくつかを
実際にご紹介していただきました。

Åka buss表紙

講演で取り上げられた
絵本のひとつ
"Åka buss"
(「バスにのって」 
Henrik Wallnäs 作・Matilda Ruta 絵
Natur & Kultur社)

この作品では、
戦火を逃れて
新しい国にやってくるのは、
ネコの家族です。

戦火を逃れて逃げる主人公たち

難民について扱った絵本には、
動物など人間以外のものを
主人公にすることで、
深刻なテーマを重くなりすぎずに
伝えようとする工夫が
多く見られるようです。


こうした絵本は
主にスウェーデン人の子ども向けに
描かれたもので、
戦争や避難を経験したことのない
子どもたちに、
現状をわかりやすく伝え、
難民の人たちへの理解を
深めてもらうのがねらいだそうです。


難民の子たちは、
まだ言葉がわからないので、
絵本が読めなかったり、
そもそも、絵本を読む習慣そのものが
ないという場合もあります。

そのため、
絵本とはどんなものか、
絵本の楽しさを伝えるところから
はじめる必要があるそうです。


たとえば、
難民宿舎に暮らす子どもたちに、
文字のない絵本を紹介して、
絵本に触れてもらう活動なども
広がってきています。

文字のない絵本であれば、
言葉がわからなくても楽しめ、
また、何が書いてあるのか、
たがいに意見交換することで、
新しい言語の習得にも役立ちます。


移民や難民をテーマにした作品には、
もう少し大きい子向けの
読み物もたくさん出ています。
そうした作品は、
スウェーデンにしばらく住んで、
言葉がわかるようになってきた
子どもたちにも親しまれています。

このブログでも、
以前にいくつかご紹介しましたが、
たとえば
2015年9月の記事で取り上げた
"Baddräkten"(「水着」)
という作品では、
文化の摩擦に苦しみながらも
スウェーデン社会で
一歩を踏み出そうとする
親子の姿を描き、
作品を読んだ難民や移民の子たちから、
「わたしのことだ!」と
共感する声が多く寄せられたそうです。


まだあまり言葉がわからない
移民や難民の子たちでも
手に取ってもらいやすいよう、
スウェーデン語とほかの言語とを
併記して書かれた絵本も
少しずつ登場しています。

"Flykten"
(「避難」
Mia Hellquist Forss 作・絵
Razak Aboud アラビア語訳)

Flykten表紙

この絵本では、
難民となった一家が、
故郷にも友だちにも
すべてに別れをつげて、
安全な国へと逃れていくようすが、
スウェーデン語とアラビア語の
両方でつづられています。

泣く泣く運動場をあとにする男の子
2か国語で併記


しかし、こうした
つらい現状を伝える作品を
当事者の子どもたちが実際に読んだとき、
自分の体験を思い出して
悲しくなってしまうということも
あるのではないでしょうか。


Emmaさんにお聞きしてみたところ、
つらい経験をしたのは
自分だけではないと思うことで
安心できる部分もあるのではないか、
だから、そうした話題を敬遠ぜず、
取り上げることも必要なのではないか、
とのことでした。


そのような考えから、
スウェーデンでは、
絵本であっても
別れや死などの重いテーマを
あえて取り上げることも多いようです。


自分の体験してきたことや
その受け止め方は
ひとりひとり違うでしょうし、
作品の感じ方も異なるので、
何がいい悪いとは、
一概にはいえないと思いますが、
深刻な話題だからと避けずに
取り上げることで、
本選びの幅は広げられるのではないか、
と感じました。



次回の更新は、5月の予定です。
(4月はお休みします)



(絵本の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

スウェーデンのしあわせ絵本館 食の巻その1

このところ、冷え込む日がつづき、
本格的な秋の到来となりました。

秋といえば、食欲の秋!
ごはんを食べていると、
しあわせに感じることは
ありませんか。


今回は
「食にまつわるしあわせ」をテーマに
おはなしをご紹介します。

まずは
「おいしいものを食べるしあわせ」

"Måsrar och Mamelucker!”
(「くいしんぼカモメがやってきた!」
Lena Arro 作・Catarina Kruusval 絵
Rabén & Sjögren 社)


Måsar och Mamelucker! 表紙

この絵本には、
スウェーデンのおいしい料理が
たくさん登場します。


海辺の家に住んでいる、
元船乗りとコックの
おじさん二人のもとに、
一羽のカモメがやってきました。

実はこのカモメ、
たいへんな美食家なのでした。

ミートボールでランチ

今日のおじさんたちのランチは、
ほくほくのじゃがいもに
ミートボール。
リンゴンという、
赤いベリーのジャムをかけて
いただきます。

スウェーデンの主食は
じゃがいもです。
そのままゆでたり、
うすいパンケーキの
ようなものにしたり・・・と
食べ方もいろいろ。

山盛りマッシュポテト

山盛りの
マッシュポテトにする、
というのもあります。

さて、おじさんたちも
さっそく食べようとしたところ・・・

食べられた!

カモメが、
みんなたいらげてしまいました。


つぎの日のランチは、パンケーキ。
スウェーデンのパンケーキは、
平べったくて、モチモチしています。
ジャムと生クリームを
たっぷりつけていただきます。

豚肉入りパンケーキ

豚肉入りパンケーキとリンゴンジャム。
パンケーキは、立派なおかずにもなります。


カモメ対策

カモメ撃退用?の青いリボンを
テーブルじゅうにはりめぐらして、
準備は万全!のはずでしたが・・・

対策ききめなし

またしても、カモメに
たいらげられてしまいました。
リボンは
まったくききめがなかったようです。


おじさんたちは、
食べものを
テーブルにくぎでうちつけるなど、
いろいろ策をこらしますが、
結果は、すべてサッパリ。


とうとう、カモメの分も
つくってあげることにしました。

おまちどおさま

自分たちの料理を
こんなに気に入ってもらえるとは、と
おじさんたちもまんざらでもなさそう。

いつしか、カモメもいっしょに
みんなで仲良く食べることに、
喜びを見出すようになっていきます。


「なかまといっしょに味わうしあわせ」
これも、食にまつわる
しあわせのひとときの一つと
いえるでしょう。


つづく


(絵本の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR