FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スウェーデンのしあわせ絵本館 食の巻その2

つづいては、
「なかまといっしょに
味わうしあわせ」
にちなんだおはなしです。

Mats och Roj 表紙

"Mats och Roj”
(「マッツとロイ」
Eva Lindström 作
Alfabeta 社)


マッツとロイという、
仲良しの男の子二人は、
冷蔵庫の残り物で、
何か新しい料理を
つくり出そうと思いつきます。

二人が見つけたのは、
いわしの燻製。

いわしの燻製

ぐちゃぐちゃにつぶして
フォークで平らにすると、
マッシュポテトならぬ、
マッシュいわしのできあがり。

マッシュいわしを作ろう!

でも、ちょっと気持ち悪くて、
マッツは顔をそむけてしまいました。

なかまといっしょに
あじわうしあわせも、
見ための気持ち悪さには
勝てなかったようです。


さて、つづいて二人は、
フルーツミューズリーを
見つけました。

ふつうに食べると
こんな感じですが・・・

ミューズリー

固いドライフルーツと
ぱさぱさのオート麦が
きらいな二人は、
これをみんなとりのぞき、
とりのぞき、
かわりに
レーズンだけの
ミューズリーの開発に
のりだします。

しかし、
こまかいオート麦を
ひとつぶ、ひとつぶ
とりぞのくという
気の遠くなるような作業に、
ついに断念。

調理の仕方はともかく、
なかまといっしょに
つくるというのは、
楽しく、
しあわせなひとときですね。


つづく


(本の表紙の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)
スポンサーサイト

テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

はげましでは金メダル

リオデジャネイロオリンピックが
閉幕しました。

選手たちのがんばりに勇気づけられ、
たくさんの感動をもらった
オリンピックでしたが、
なかでも印象に残ったのは、
陸上男子走り高跳びに出場した
シリアの選手です。

予選では、
連続して落下してしまいましたが、
ラストの一本で底力を見せました。

自分の母国シリアで、
戦闘に巻き込まれ、
苦しんでいる人々を
少しでもはげましたいと、
がんばったそうです。

みごと決勝に進み、
7位入賞をはたしました。

この選手は、
シリア代表として出場しましたが、
今回のオリンピックでは、
難民選手団も結成されて
話題をよびました。

難民にはなっていないものの、
日々、命の危険にさらされながら
練習を続けてきた選手もいます。

ライバルとして共に戦ってきた友人を
テロで亡くしたという、
イラクのある選手は、
彼のためにもがんばる、
と語っていました。


彼らの活躍は、
同じ境遇にある人たちの
支えとなるだけでなく、
わたしたちにとっても、
大きなはげましになり、
いろいろと考える機会を
与えてくれます。


今回は、そのような逆境にあっても
負けない選手の活躍にちなんで、
こんなおなはしをご紹介します。

"Spring, Amina!"
(「はしれ、アミーナ!」
Annelie Drewsen 作
Nypon社)


アミーナは、家族とはなれて、
ソマリアからたった一人、
スウェーデンに逃れてきた
難民の少女です。

ソマリアにいたときは、
日々、爆弾におびえていたので、
大きな音がすると、
反射的に走り出すくせがついていました。
アミーナのお兄さんは、
走るのが遅れたために、
死んでしまったのです。


ある日、スウェーデン人の友人のリーナと
町を歩いていたアミーナは、
大きな音におどろいて、
思わずダッシュしてしまいました。

アミーナの走りを見たリーナは、
その速さに感心して、
アミーナを陸上クラブにさそいます。


こうして、アミーナは、
陸上クラブに通いはじめました。

やがて、選手にえらばれ、
大会に出場することに。
しかし、アミーナは、
スパイクを持っていませんでした。

アミーナは、一生懸命
お金をためていましたが、
お母さんから、
いとこが病気になったと
知らせを受け、
お金をすべて
お母さんに送ってしまいます。


スパイクも買えず、
アミーナは、大会に出場するのを
あきらめていました。

しかし、当日、
リーナがけがで出場できなくなり、
自分のスパイクをアミーナに貸してくれます。

アミーナは、
リーナのスパイクを借りて出場し、
みごと2位になりました。

そして、副賞には、
なんとスパイクをもらったのです。


部屋にもどったアミーナは、
お母さんとお兄さんの写真にむかって、
メダルとスパイクをかかげてみせ、
「次は金メダルを」と
誓うのでした。


どんなにつらい状況にあっても、
懸命にがんばる彼らの勇姿から
学ぶものはたくさんあります。
恵まれた環境でいられることに感謝しながら、
彼らを見習ってがんばろうと
思ったオリンピックでした。

こうした選手たちの
がんばりが報道されることで、
難民について知る機会が
増えるのはもちろん、
スポーツを通して、
彼らをより身近な存在として
感じられるようになると
よいと思います。



次回の更新は、9月末の予定です。





テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

光のルシアの舞台裏

もうすぐ、待ちに待ったクリスマス。
が、スウェーデンでは、その前に
一大行事が待っています。

12月13日に行われる、ルシア祭です。

白い衣装に身を包み、
光の冠をかぶった聖女ルシアと、
おつきたちが、
ろうそくを手に行進し、
歌をうたいます。

この行事は、学校や職場など、
スウェーデンの全国各地で行われ、
主役のルシア役は、
毎年、投票などによって
選ばれます。

ルシア役は、
女の子たちのあこがれの的。
おはなしの中でも、
ルシア役をめぐる、
女の子たちの熱き戦いが
繰り広げられます。

絵本
"Allihop"
(「みんな」 Anna-Clara Tidholm作・絵
En bok för alla社)
に登場する、ロシータの
小学校のクラスでも、
ルシア役の投票が行われました。

ルシアの投票


ロシータは、
みごとルシアに選ばれ、
大よろこび!

でも、
ルシアになれなかった
親友のリーサは、
すねてしまいます。

リーサ怒る

リーサと仲直りしたい一心で、
ロシータは、ルシア役を
リーサにゆずることにしますが・・・


あきらめきれないロシータ

ルシアをあきらめきれず、
ロシータは、その夜、
なかなか眠れません。

よく日、
リーサの家を訪れたロシータは、
リーサが大切にしている、
ガラスの動物の置物を
わざと、こなごなに割ってしまいます。

くだけた友情

この置物は、
ロシータが、友情のあかしにと、
リーサにプレゼントしたものでした。


こんなふうに、
ルシア役をめぐり、
女の子の友情に
ひびが入ってしまうことも。


しかし、このルシア役、
実際に体験してみると、
けっこう大変です。


なぜかルシアに選ばれてしまった私

衣装は、
ビッグなスウェーデン人サイズのため、
私には大きすぎて、裾を引きずってしまい、
頭の冠も、重くて、ずり落ちてくる始末。

冠のろうそくは、なんと本物。
火が燃え移らないかと
ハラハラするわ、
ろうが垂れて
髪の毛にくっつくわ・・・。

加えて、
ルシア一行は、行進の後、
何曲も合唱をしなければならず、
歌詞を覚えるのにも一苦労。

苦肉の策で、
手に持ったろうろくの柄に、
お経のように歌詞を書きつけ、
カンニングペーパーがわりに
使いました・・・。


仲直りのルシア祭

ロシータとリーサも、
最後には仲直りをして、
すてきなルシア祭を祝います。


絵本"Allihop"には、
他にも、いろんな子どもたちが登場します。

Allihop表紙

なんでも決めたがりやのフリーダ。
内気で、いつも一人ぼっちのエバート。
わがままで、だだっ子のブリッタ。
家庭で、問題をかかえているジョニー。

まさしく、十人十色。

私がスウェーデンで通っていた学校は、
「国民高等学校」という、
北欧生まれの独特な形態のもので、
やはり、いろいろな生徒たちが集まっていました。

不登校を乗り越え、
新しい環境で学び直そうとする人、
ハンディキャップのある人、
様々な国からの移民や難民の人などなど。

国民高等学校では、
すべての人に開かれた教育の場という
コンセプトのもと、
多様なコースが用意されています。

私が学んだのは、
児童文学と、文芸創作のコースですが、
他にも、
学習障害の人たちのための
読み書きのトレーニングコースから、
移民のためのスウェーデン語習得のコース、
教会のオルガニスト養成コースといった
専門的なものまであります。

様々なバックグラウンドを持つ人々と
出会える学校は、
まさしく、
スウェーデン社会の縮図のようです。



(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)


テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

春は生き物の季節♪

もうすぐ、ゴールデンウィーク。
スウェーデンの人たちのように
森にピクニックに出かけて、
自然の中でゆっくりするのもいいですね。

めずらしい生き物と
出会えるかもしれません。

今日は、そんな、一風変わった生き物が登場する絵本
"Glossas café"
(「まじょグロッサのきっさてん」 
Pija Lindenbaum 作・絵 Alfabeta社)
をご紹介します。


キツネ変身

頭にしっぽがはえたキツネや、


カラスとカエル

足がハイヒールになったカエル、
羽がバナナになったカラス。


歩く魚

はたまた、あるく魚まで。


いったい、どうして、
こんな姿になってしまったのでしょう?

おはなしは、
いじわるな魔女の親子グロッサとグレータが、
山の上に喫茶店をひらいたことから始まります。

カフェ開店


二人は、お客さんへ出す料理に
こっそり魔法をかけていたのです。

仕込中


やがて、お客さんは、
だれも寄りつかなくなりました。

みんな、へんてこな姿にされるより、
おなかをすかせた方がましだと思ったのです。

すっかり退屈してしまった
グロッサとグレータは、

退屈

今度は、自分たちに魔法をかけて、
やさしい、いい魔女に変身します。

そして
病院をひらいて、
みんなの魔法をといてあげます。

クリニック

病院は、
毎日、大繁盛。

めでたし、めでたし。



魔法にかけられていない、
本物のカラス

kråka

日本のカラスとちょっと違います。


長さ5センチほどもある、
ビッグサイズのナメクジ 

ナメクジ

べつに、魔法にかけられているわけではありません。

さすが、スウェーデン。
人々の背が高いのはもちろん、
ナメクジまでビッグサイズとは。
スケールが違いますね。





(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)







テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。