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手紙で国際交流!

この春、
スウェーデンの
いくつかの図書館をまわって、
子どもたちと
ワークショップを行いました。

日本の紙芝居を読んだり、
おりがみで手裏剣を折ったりして
楽しみました。

紙芝居の読み聞かせ

スウェーデンの子どもたちは、
日本の漢字に興味しんしん。

おすしなど日本の食べものも
大人気でした。

名前を日本語で書くと……

参加してくれた子たちの名前を
日本語で書いてあげると、
みんな、よろこんでいました。


つづいて、
『こびん』
(松田奈那子 作・風濤社)
という絵本の
読み聞かせをしました。

『こびん』表紙

さまざまな人たちからの
手紙をあずかったこびんが、
海をただよい、
だれかに手紙を届けていく、
という物語です。

こびんの中からは、
手紙とともに、
たのしげな笑い声や、
おいしそうなにおいまでも
あふれ出してきます。

こびんをあけて
元気をもらった人たちが、
今度は手紙に返事を書いて、
こびんに託します。

こびんは、その手紙を
またべつのだれかへと
届けます。

とても心のあたたかくなる
すてきな絵本です。


この絵本を
子どもたちといっしょに
楽しんだ後、
スウェーデンの子たちに、
日本の子どもたちに宛てて
手紙を書いてもらいました。

日本のお友だちへ!

その手紙を
ペットボトルにつめて……

お手紙をつめました。

わたしが日本に持ち帰ってきました。


スウェーデンの子どもたちに
書いてもらった手紙を、
今度は日本の子どもたちに読んでもらい、
返事を書いてもらうワークショップを、
この夏、行う予定です。

返事は、
同じくペットボトルにつめて、
スウェーデンに送ります。


手紙を通して
スウェーデンの子たちと
日本の子たちが
なかよくなってくれたら
すてきですね。




(絵本の表紙の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

「難民の子どもたちに平安を!」

スウェーデン政府は10月、
アフガニスタン政府と
難民についてのある協定を結びました。

協定によると、
アフガニスタンから
スウェーデンに逃れてきた難民たちのうち、
難民申請を却下された人々に
強制送還が適用されるようになるそうです。

スウェーデンでは、
これまでアフガニスタン側が
受け入れを拒んできたため、
アフガニスタン人に対する
強制送還は
ほとんど行われていませんでした。

しかし、まもなく
何千人という人々が
アフガニスタンへと
送り返されることになります。


アフガニスタンの子どもたちの
置かれている状況は
ひじょうに深刻で、
10人のうち9人は、
暴力にさらされているといいます。

また、強制送還されたとしても、
家族や親せきが
アフガニスタンに残っているとはかぎらず、
一人孤立してしまう危険もあります。


スウェーデンに逃れてきた人々のうち、
アフガニスタンからの難民は、
シリアに次いで多く、
昨年スウェーデンに難民申請した
アフガニスタン人は、
4万2千人以上だそうです。

彼らの申請結果が
今ようやく、
徐々に出はじめており、
多くの人々が
不安にさいなまれています。


こうした事態に抗議するデモが、
スウェーデン各地で
あいついで起こっています。

抗議の動きは、
児童文学作家たちの間にも
広がっています。


「強制送還をやめさせて、
難民の子どもたちに平安を!」


これは、以前月の記事で紹介した、
「走れ、アミーナ!」の作者
Annelie Drewsenさんが発表した、
スウェーデン政府に対する
抗議の記事の見出しです。

Annelieさんは、
強制送還を認める協定に抗議するため、
スウェーデンの児童文学作家らに呼びかけて
署名を集めました。

この記事の最後には、
集まった署名がずらりと並んでいます。


Annelieさんは、
いろいろな学校を訪問して、
ワークショップなども開いており、
難民の生徒たちと接する機会も
多くあります。

そんな彼女が出会ったうちの
二人の子どもたちの例が、
記事では取り上げられています。

Annelieさんの了解を得て、ここに
記事を紹介させていただきます。


「アミールは、父と兄を殺され、
母とは生き別れになり、
たった一人逃れてきた少年です。

国境を越える際に撃たれましたが
なんとか生きのび、
地中海を転覆寸前のボートでわたって、
スウェーデンにやってきました。

スウェーデンで、
はじめて自由というものを知ったアミールは、
現在はスウェーデンの高校に通っています。
いつかアフガニスタンにもどって、
学校をつくりたいという夢もできました。

ところが、
一週間前に、移民省から
強制送還を告げる手紙が届き、
アミールの夢は、
打ち砕かれてしまいました。

いつ、警察がやってきて、
アフガニスタンに送り返されてしまうか、
おびえる日々を送っています。

アミールは自殺をはかりましたが、
またしても生きのびました。

しかし、自分の将来に絶望し、
行き場を失ってしまっています。


もう一人の少女ゾーラも、
アフガニスタンから
母や兄弟たちとやってきました。

今は中学校でがんばって勉強していますが、
スウェーデン語を習得するのに
苦労しています。

ゾーラは、スウェーデンに
とどまれるのかという不安に
いつもさいなまれ、
殺された父親のことや、
義父となったおじのことを
よく考えています。

義父はゾーラに暴力をふるい、
学校にも行かせないようにしていました。

学校は爆撃され、
特に女子校では、タリバンによって
飲み水に毒を流されることもありました。

スウェーデンにきた今でも、
ゾーラは毎日、
水を飲むのをこわがっています。

アフガニスタンにもどされるくらいなら、
自殺した方がましだ、
とゾーラは話しています。


アミールとゾーラは、
戦争や紛争、拷問などから逃れて
スウェーデンにやってきた、
同じような境遇を持つ、
何千という子どもたちのうちの
二人です。

スウェーデンはこれまで、
こうした子どもたちに、
眠る場所や食べ物、
教育の場などを提供して、
人権を持つとはどういうことなのかを
示してきました。

その結果、彼らも、
同い年のほかの子たちと同じように
暮らせるようになりました。

ヘッドフォンで音楽をきいたり、
スマートフォンでyoutubeを見たり、
サッカーをしたりできるようになったのです。

でも、夜になると、
彼らの多くは
これからどうなるのかという不安や、
国に残っている母親を
恋しく思う気持ちにさいなまれています。

多くの子どもたちが泣いたり、
自傷行為に走ったり、
自殺しようとする
子どもたちさえいるのです。

この子たちがスウェーデンにとどまって、
教育を受け、
平穏な暮らしを送ることは
できるのでしょうか?

多くの子たちにとって、答えはノーです。

彼らの多くが、難民申請を却下され、
アフガニスタンに
強制送還されてしまうでしょう。

日に日に治安の悪くなり、
テロで大勢が犠牲になる国に
送り返されてしまうのです。


このことに、
スウェーデン政府は目をつむり、
つい先日、
難民申請を却下された人たちを
送り返すという協定を、
アフガニスタン政府と結びました。

『スウェーデンにとって大きな一歩だ』と、
移民統合大臣は述べていますが、
同時に外務省では、
アフガニスタンへの旅行者や滞在者に対し、
「アフガニスタン全域において
テロの危険性がある」と
注意を呼びかけているのです。

このような相反する倫理観が
あっていいはずはありません。

何千という子どもや若者が
ここスウェーデンで手に入れた
自由で平穏な暮らしを、
政府がこわしてはなりません。

この地に根をおろし、
将来への希望を取りもどしはじめた
子どもや若者たちを
強制送還させることは、
人道から外れる行為です。

スウェーデンは、
この国にやってきた人たちを
受け入れるだけの余裕はあると、
わたしたちは確信しています。

どうか、これらの子どもたちに平安を―」



難民を積極的に受け入れてきた結果、
おしよせる難民たちのための
住居の確保が追いつかず、
経済的負担が増し、
やむをえず
難民を制限するしかないという
苦しい状況を考えると、
政府の決定を
一概に批判もできないように思います。

しかし一方、
生死をかけてようやく手に入れた
平穏な暮らしを、
彼らからふたたび奪ってしまって
いいはずはありません。


どうすべきなのか、
また、第三国にいる
わたしたちにできることは何か、
考えていく必要があるように思います。



記事の原文は、
こちらから読めます。

http://www.svt.se/opinion/article10805765.svt



次回は、ふたたび「しあわせ」を
テーマにお届けします。
次回の更新は、1月末の予定です。


テーマ : 気になるニュース
ジャンル : ニュース

増える移民たち

前回は"Lättläst"(やさしく読める本)
についてご紹介しました。

読み書きが困難な人たちも、
そうでない人たちも、
だれでも楽しめるLättlästの本は、
スウェーデンでは、とても普及しており、
図書館にも、多くの種類が置かれています。

Lättlästの棚


読み書きが困難な人たちの中には、
障害を持つ人だけでなく、
母国語の異なる移民の人も含まれます。

そこで今回は、
「移民・難民」をテーマに
数回にわたって
レポートしていきたいと思います。


スウェーデンは、
全人口約960万人のうち、
他国のバックグラウンドを持つ人たちが
15パーセント以上を占める、
積極的な移民受け入れ国家です。

この比率を日本にあてはめてみると、
日本の総人口1億2千万人のうち、
実に1800万人が、
移民ということになります。

スウェーデンが
いかに移民を受け入れているか、
分かるかと思います。

移民の町Rinkeby

通りを歩いていると、
すれ違う人はみんな移民、
聞こえてくるのは、スウェーデン語ではなく、
アラビア語や異国の言葉ばかり、という町も。


スウェーデンには、
移民や難民の人たちのための
スウェーデン語習得のコース
(Svenska för invandrare:
移民のためのスウェーデン語コース。
略してSFIと呼ばれます。)
があり、無料で通うことができます。

著者は、先日スウェーデンを訪れ、
母校のSFIクラスを取材してきました。


この日の授業に参加したのは、
12人。
アフガニスタンやトルコ出身の人、
そして、半数以上の7人が
シリア出身でした。

スウェーデンは、2013年から
シリア難民をすべて受け入れる方針を
打ち出しているため、
シリアからの難民が急増しています。

学校の近くの小さな町で、
家族と再会できるのを待っているお父さん。

つい先日、
家族と再会でき、
スウェーデンで
新しい暮らしを始めた人。

弟と二人で逃れてきて、
今は、エンジニアになるため、
大学進学をめざして、
スウェーデン語を学んでいる青年。

一家で会社を経営していたのに、
戦争で亡命を余儀なくされ、
スウェーデンに逃れてきた人。

いろんな人がいました。
つらい経験をしてきただろうけれど、
皆、明るく冗談を言い合っているのが
とても印象的でした。

折り紙レクチャー

学校の教室。
この日の授業では、
著者が日本について紹介し、
みんなで折り紙をおりました。


生徒たちは、研修に行ったり、
居住許可の申請や審査を受けるため、
移民局に行ったりと
それぞれ忙しく、
全員がそろうことは
なかなかないそうです。


移民や難民の人たちが
増えているのを受け、
絵本やおはなしの中でも、
そうした人たちが
取り上げられるようになってきました。


次回は、
そんな彼らが、
文化の違いにとまどいながらも、
スウェーデンで居場所を見出そうとする
おはなしをご紹介したいと思います。



次回の更新は、9月下旬の予定です。








テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

実践! バリアフリー


Äppelhyllan

スウェーデンの図書館の
児童書コーナーに入ると、
まず目に飛び込んでくるのが、
このかわいらしい本だな。

「Äppelhyllan(りんごの棚)」といいます。

ここには、主に、
障害のある子どもたちのための
特別な本が並んでいます。

耳で聞くCDブックや
絵文字を使った本、
手話つきのビデオや
さわる絵本などがあります。

CDブックいろいろ

DAISY図書という、
タブレット端末やパソコン上で、
文字と音声、画像を同時に再生できる
CD-ROMのついた本もあります。

障害者向けの本も、
一般の本と同じように、
見やすいところに置かれ、
思わず手に取ってみたくなるような
工夫がされています。

障害のある人も、
ありのまま受け入れられる
環境が整っているのです。


乳母車置き場と、貸出用の車いす

車いすの貸出サービスも。


障害者向けのサービスが
まだ、あまり知られていない
日本の図書館とは、
たいぶ違いますね。


各種パンフレット

さまざまな障害について
紹介したパンフレット。
図書館入り口を入って
すぐのところに並べられています。

支援団体などのリストも載っており、
障害のある人たちの助けになると同時に、
多くの人に障害について知ってもらい、
理解を深めてもらおうとの
狙いがあるようです。


パンフレットだけでなく、
こんなテレビ番組も。

ディスレクシア(読み書き困難症)の
子どもたちや、
様々な難病を持つ子どもたちに
スポットを当てて、
彼らの暮らしに密着した、
ドキュメンタリーシリーズです。

学校や家庭や
病院での様子に加えて、
はじめて障害や病気のことを
告げられたときの心境や、
友だちに、障害や病気のことを
打ち明けたときのことなどが、
子どものたちの目線から、
ていねいにつづられます。


その障害や病気がどういうもので、
彼らがどう感じているのか知ることで、
どんな助けが必要なのかや、
どう接したらいいのかが、
見えてくるように思います。


スウェーデンのバリアフリーは、
障害があるからといって特別視せず、
みんながありのままで
いられる社会をめざすものですが、
そのために、
その障害がどういうものかを
ちゃんと理解しておくことも大切です。

理解を深める、という部分も、
スウェーデンでは、
しっかり実践しています。


次回は、そうした、
「障害について理解する」
絵本やおはなしを
ご紹介したいと思います。



次回の更新は、6月下旬の予定です。




テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

オーランド フェリーの魅力発見の旅(デザイン編)

洗練されたデザインも、
北欧の魅力のひとつ。

フェリー内部のデザインは、
どのようなものでしょうか。

天井のライト

天井のライト 紫(船の後方)

天井のライト 青(船の前方)

天井のライト 黄色(船の中央)

フェリーの前方、中央、後方で、
ライトの色が分かれています。
現在位置が、ひとめで分かるようにという
工夫だそうです。


天井の模様にも
注目してみてください。

花の模様がついています。

この花模様、
壁や床にも使われています。

blomster模様の壁

blomster模様の床

同じ模様で、
統一感を出しているのです。


こちらは、
ダイヤモンドの模様で統一。

diamant模様のライト

diamant模様の床


バーでのライブショー。

diamant模様の柵

柵のところに
ダイヤモンドの模様が
使われています。


diamant模様の壁

同じく、ダイヤモンド模様の壁。
おしゃれなだけでなく、
角度をつけることで、
平面の壁よりも
光を室内全体にいきわたらせやすくする
効果もあるそう。

同じ模様を繰り返し、
効果的に用いる手法も、
北欧デザインの魅力の一つといえそうです。


つづく



テーマ : フェリー・船旅
ジャンル : 旅行

プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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