- 2015-04-26 :
- 絵本
絵本の中のバリアフリー
前回、ご紹介した
"Tyranno"の作者クリスティーナさんは、
こんな絵本も書いています。

"Förbaskade träd!"
(「まったく、しょうのない木だな!」
クリスティーナ・ムライ・ブロディーン 作
カタリーナ・ストレームゴルド 絵
オパール社)
女の子とお父さんが
引っ越してきた家の庭には、
大きなかしの木がありました。
女の子は、この木が気に入って、
きのぼりをしたり、
いろんな生き物を見つけたりします。
でも、お父さんは、
家が暗くなるから、
木を切ってしまおうといい出します。

絵から分かるように、
お父さんは車いすにのっています。
しかし、おはなしの中では、
お父さんが車いすにのっていることは、
まったく語られません。
"Tyranno"の絵本でも、
車いすの男の子や、
いろんな国の出身の子どもたち、
ショールをかぶった女の先生など、
さまざまなバックグラウンドを持った人たちが
絵の中に描きこまれていましたが、

彼らについて、おはなしの中で
特に焦点を当てて
語られることはありませんでした。
ただ、絵の中に、
ごくごく自然に登場しているのです。
いろんな国の人がいて、
いろんな家族の形があって、
いろんな障害をかかえた人がいて、
そうした人たちを
ありのまま描くことを、
作者のクリスティーナさんは、
一番大切にしているそうです。
だから、
ふつうとちがっているからといって、
特に言及したり、
文章の中で説明したりはしないんです。
"Tyranno"を出版している
ボンバート社も、
さまざまな人たちが登場する作品を
多く出版しています。
作家やイラストレーターに
作品を依頼するとき、
障害を持った子どもを
作品の中に描いてもらうよう、
お願いしているそうです。
いろんな人がいて、
みんなが自然と受け入れられる、
そんな社会をめざそうという思いが
こめられています。
どんな人も、ありのままいられる社会。
これこそ、まさしく、
究極のバリアフリー
といえるのではないでしょうか。
今回は、絵本を通して
バリアフリーを見ていきました。
次回は、
暮らしの中での
実際のバリアフリーについて
おはなししたいと思います。
次回の更新は、5月末頃の予定です。
(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)
"Tyranno"の作者クリスティーナさんは、
こんな絵本も書いています。

"Förbaskade träd!"
(「まったく、しょうのない木だな!」
クリスティーナ・ムライ・ブロディーン 作
カタリーナ・ストレームゴルド 絵
オパール社)
女の子とお父さんが
引っ越してきた家の庭には、
大きなかしの木がありました。
女の子は、この木が気に入って、
きのぼりをしたり、
いろんな生き物を見つけたりします。
でも、お父さんは、
家が暗くなるから、
木を切ってしまおうといい出します。

絵から分かるように、
お父さんは車いすにのっています。
しかし、おはなしの中では、
お父さんが車いすにのっていることは、
まったく語られません。
"Tyranno"の絵本でも、
車いすの男の子や、
いろんな国の出身の子どもたち、
ショールをかぶった女の先生など、
さまざまなバックグラウンドを持った人たちが
絵の中に描きこまれていましたが、

彼らについて、おはなしの中で
特に焦点を当てて
語られることはありませんでした。
ただ、絵の中に、
ごくごく自然に登場しているのです。
いろんな国の人がいて、
いろんな家族の形があって、
いろんな障害をかかえた人がいて、
そうした人たちを
ありのまま描くことを、
作者のクリスティーナさんは、
一番大切にしているそうです。
だから、
ふつうとちがっているからといって、
特に言及したり、
文章の中で説明したりはしないんです。
"Tyranno"を出版している
ボンバート社も、
さまざまな人たちが登場する作品を
多く出版しています。
作家やイラストレーターに
作品を依頼するとき、
障害を持った子どもを
作品の中に描いてもらうよう、
お願いしているそうです。
いろんな人がいて、
みんなが自然と受け入れられる、
そんな社会をめざそうという思いが
こめられています。
どんな人も、ありのままいられる社会。
これこそ、まさしく、
究極のバリアフリー
といえるのではないでしょうか。
今回は、絵本を通して
バリアフリーを見ていきました。
次回は、
暮らしの中での
実際のバリアフリーについて
おはなししたいと思います。
次回の更新は、5月末頃の予定です。
(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)
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新学期がはじまりました。
心機一転、
新しいクラスに、新しい友だち。
絵本"Tyranno"
(「ティラノ」
クリスティーナ・ムライ・ブロディーン 作
ベッティナ・ヨハンソン 絵 ボンバート社)
の主人公サラにも、
新しい友だちができました。
ティラノサウルスのティラノです。

ティラノは、サラにしか見えません。
朝ごはんを食べていると、
ティラノがいたずらをして、
コップをひっくり返してしまいました。

「あたしのせいじゃないよ。
ティラノがやったんだよ」
でも、ティラノが見えないパパは、
サラのいうことを信じてくれません。
幼稚園でも、

ティラノは、ちっともいうことをききません。
みんなティラノが悪いのに、
起こられるのは、サラばっかり。

でも、幼稚園から帰るときには、
ティラノも
ちょっと反省しているみたいでした。

「ティラノを
幼稚園につれてっちゃいけないよ。
みんなに迷惑をかけちゃいけないんだよ」
パパのいうことを、
サラはしずかにきいています。
すると・・・
いつのまにか、
ティラノがいなくなってしまいました。

ティラノもおうちへ帰ったみたい。
もう、しばらくは
きっと遊びに来ないでしょう。
さて、この絵本、
ちょっと変わっているところが
いくつもあるんです。
それぞれの絵を
じっくり見てみてください。
まずは、サラのお父さん。
食事の支度や、
幼稚園の送り迎えをするのは、
みんなお父さんです。
お母さんは、まったく出てこず、
いるのかどうかも分かりません。
スウェーデンでは、
男性が家事や育児をするのは
一般的ですし、
ひとり親の家庭もめずらしくありません。
サラの幼稚園の先生も、男の先生です。
よくよく見ると、先生のうでには、
なんと、いれずみが。
ショールをかぶっている女の先生もいます。
子どもたちも、
髪や肌の色がさまざまで、
いろんな国の出身の子がいるようです。
移民を積極的に受け入れている
スウェーデンの社会がかいまみられます。
車いすに乗っている男の子もいます。
障害のある子もない子も
いっしょに学べる環境が整っているのも、
福祉国家スウェーデンならでは。
次回は、
スウェーデンのバリアフリーについて、
さらにご紹介していきたいと思います。
(次回の更新は、4月末頃の予定です。)
(絵本の写真は、作者及び出版社の許可を得て掲載しています。)
心機一転、
新しいクラスに、新しい友だち。
絵本"Tyranno"
(「ティラノ」
クリスティーナ・ムライ・ブロディーン 作
ベッティナ・ヨハンソン 絵 ボンバート社)
の主人公サラにも、
新しい友だちができました。
ティラノサウルスのティラノです。

ティラノは、サラにしか見えません。
朝ごはんを食べていると、
ティラノがいたずらをして、
コップをひっくり返してしまいました。

「あたしのせいじゃないよ。
ティラノがやったんだよ」
でも、ティラノが見えないパパは、
サラのいうことを信じてくれません。
幼稚園でも、

ティラノは、ちっともいうことをききません。
みんなティラノが悪いのに、
起こられるのは、サラばっかり。

でも、幼稚園から帰るときには、
ティラノも
ちょっと反省しているみたいでした。

「ティラノを
幼稚園につれてっちゃいけないよ。
みんなに迷惑をかけちゃいけないんだよ」
パパのいうことを、
サラはしずかにきいています。
すると・・・
いつのまにか、
ティラノがいなくなってしまいました。

ティラノもおうちへ帰ったみたい。
もう、しばらくは
きっと遊びに来ないでしょう。
さて、この絵本、
ちょっと変わっているところが
いくつもあるんです。
それぞれの絵を
じっくり見てみてください。
まずは、サラのお父さん。
食事の支度や、
幼稚園の送り迎えをするのは、
みんなお父さんです。
お母さんは、まったく出てこず、
いるのかどうかも分かりません。
スウェーデンでは、
男性が家事や育児をするのは
一般的ですし、
ひとり親の家庭もめずらしくありません。
サラの幼稚園の先生も、男の先生です。
よくよく見ると、先生のうでには、
なんと、いれずみが。
ショールをかぶっている女の先生もいます。
子どもたちも、
髪や肌の色がさまざまで、
いろんな国の出身の子がいるようです。
移民を積極的に受け入れている
スウェーデンの社会がかいまみられます。
車いすに乗っている男の子もいます。
障害のある子もない子も
いっしょに学べる環境が整っているのも、
福祉国家スウェーデンならでは。
次回は、
スウェーデンのバリアフリーについて、
さらにご紹介していきたいと思います。
(次回の更新は、4月末頃の予定です。)
(絵本の写真は、作者及び出版社の許可を得て掲載しています。)