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実践! バリアフリー


Äppelhyllan

スウェーデンの図書館の
児童書コーナーに入ると、
まず目に飛び込んでくるのが、
このかわいらしい本だな。

「Äppelhyllan(りんごの棚)」といいます。

ここには、主に、
障害のある子どもたちのための
特別な本が並んでいます。

耳で聞くCDブックや
絵文字を使った本、
手話つきのビデオや
さわる絵本などがあります。

CDブックいろいろ

DAISY図書という、
タブレット端末やパソコン上で、
文字と音声、画像を同時に再生できる
CD-ROMのついた本もあります。

障害者向けの本も、
一般の本と同じように、
見やすいところに置かれ、
思わず手に取ってみたくなるような
工夫がされています。

障害のある人も、
ありのまま受け入れられる
環境が整っているのです。


乳母車置き場と、貸出用の車いす

車いすの貸出サービスも。


障害者向けのサービスが
まだ、あまり知られていない
日本の図書館とは、
たいぶ違いますね。


各種パンフレット

さまざまな障害について
紹介したパンフレット。
図書館入り口を入って
すぐのところに並べられています。

支援団体などのリストも載っており、
障害のある人たちの助けになると同時に、
多くの人に障害について知ってもらい、
理解を深めてもらおうとの
狙いがあるようです。


パンフレットだけでなく、
こんなテレビ番組も。

ディスレクシア(読み書き困難症)の
子どもたちや、
様々な難病を持つ子どもたちに
スポットを当てて、
彼らの暮らしに密着した、
ドキュメンタリーシリーズです。

学校や家庭や
病院での様子に加えて、
はじめて障害や病気のことを
告げられたときの心境や、
友だちに、障害や病気のことを
打ち明けたときのことなどが、
子どものたちの目線から、
ていねいにつづられます。


その障害や病気がどういうもので、
彼らがどう感じているのか知ることで、
どんな助けが必要なのかや、
どう接したらいいのかが、
見えてくるように思います。


スウェーデンのバリアフリーは、
障害があるからといって特別視せず、
みんながありのままで
いられる社会をめざすものですが、
そのために、
その障害がどういうものかを
ちゃんと理解しておくことも大切です。

理解を深める、という部分も、
スウェーデンでは、
しっかり実践しています。


次回は、そうした、
「障害について理解する」
絵本やおはなしを
ご紹介したいと思います。



次回の更新は、6月下旬の予定です。




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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、小学校の司書をしながら、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介を行っている。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座元講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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