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移民の姿を伝える(4)

11月、それまで積極的に
移民を受け入れてきたスウェーデンが、
政策を転換する方針を明らかにしました。

この2か月間で、
スウェーデンに
難民申請にやってきた人の数は、
8万人にのぼります。

難民たちの眠る場所も
確保できない状態になっているとして、
政府はとうとう、
難民を制限する方針を
打ち出しました。

今後、スウェーデンにやってくる難民は、
短期間しか滞在できず、
永住はできなくなるそうです。


この方針を歓迎する人たちと
反対する人たちとで、
国内でも意見が割れています。

押し寄せる難民たちを
受け入れ続ければ、
すでにスウェーデンで暮らしている
移民や難民たちへの支援も
おろそかになりかねず、
スウェーデンは、
難しい局面に立たされています。

こうした問題が持ち上がっている今、
彼らの現状を伝える声は、
ますます必要となるのではないでしょうか。


今回も、そんな難民の少年が語る
おはなしをご紹介します。

Ramiz resa 表紙

"Ramiz resa"
(「ラミッツの旅」
グニッラ・ルンドグレーン/
ラミッツ・ラマダニー 作 
アマンダ・エリクソン さし絵
トラーナン社)


13歳の少年ラミッツは、
両親やきょうだいたちとともに
ドイツで暮らしていました。

両親は、旧ユーゴスラビアの
コソボ出身で、
民族抗争や差別に耐えかね、
ドイツに亡命してきたのでした。

ラミッツは
ドイツで生まれ育ちましたが、
あるとき、ドイツの移民局から、
一家のドイツでの永住許可の申請が
却下されたことを告げられます。

ラミッツたちは、
コソボへ強制送還されてしまいました。


戦争で荒廃したコソボの町で、
ラミッツのお父さんは
銃を持った男たちにさらわれ、
残されたラミッツたちは、
途方にくれながらも、
再び亡命を決意します。

ワゴン車に乗り込み、
来る日も来る日も
息をひそめて過ごすうち、
ようやく行き着いた先は
スウェーデンでした。


ラミッツたちは、
スウェーデンで永住権の申請を
することになります。

しかし、これまでの心労から、
お母さんとお姉さんが
病気になってしまい、
自分がしっかりしなければと、
けなげにがんばる
ラミッツでしたが・・・


はたして一家は無事、
スウェーデンに
とどまることができるのでしょうか?

そして、
お父さんと再会することは
できるのでしょうか?


さて、この物語には、
難民のほかにもう一つ、
大きなテーマがあります。

実は、ラミッツ一家は
ジプシーとよばれて、
長らく差別を受けてきた
ロマという民族の出身です。

スウェーデンでは、
移民や難民だけでなく、
ロマの人たちの受け入れも
大きな問題になっています。

彼らはどんな民族で、
どのように扱われてきたのでしょう?


次回は「ロマ」をテーマに、
彼らの物語について
紹介したいと思います。


次回の更新は、
1月下旬の予定です。




(本の表紙の写真は、出版社の許可を得て掲載しています。)
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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