- 2016-08-30 :
- 読み物(小学校低学年)
はげましでは金メダル
リオデジャネイロオリンピックが
閉幕しました。
選手たちのがんばりに勇気づけられ、
たくさんの感動をもらった
オリンピックでしたが、
なかでも印象に残ったのは、
陸上男子走り高跳びに出場した
シリアの選手です。
予選では、
連続して落下してしまいましたが、
ラストの一本で底力を見せました。
自分の母国シリアで、
戦闘に巻き込まれ、
苦しんでいる人々を
少しでもはげましたいと、
がんばったそうです。
みごと決勝に進み、
7位入賞をはたしました。
この選手は、
シリア代表として出場しましたが、
今回のオリンピックでは、
難民選手団も結成されて
話題をよびました。
難民にはなっていないものの、
日々、命の危険にさらされながら
練習を続けてきた選手もいます。
ライバルとして共に戦ってきた友人を
テロで亡くしたという、
イラクのある選手は、
彼のためにもがんばる、
と語っていました。
彼らの活躍は、
同じ境遇にある人たちの
支えとなるだけでなく、
わたしたちにとっても、
大きなはげましになり、
いろいろと考える機会を
与えてくれます。
今回は、そのような逆境にあっても
負けない選手の活躍にちなんで、
こんなおなはしをご紹介します。
"Spring, Amina!"
(「はしれ、アミーナ!」
Annelie Drewsen 作
Nypon社)
アミーナは、家族とはなれて、
ソマリアからたった一人、
スウェーデンに逃れてきた
難民の少女です。
ソマリアにいたときは、
日々、爆弾におびえていたので、
大きな音がすると、
反射的に走り出すくせがついていました。
アミーナのお兄さんは、
走るのが遅れたために、
死んでしまったのです。
ある日、スウェーデン人の友人のリーナと
町を歩いていたアミーナは、
大きな音におどろいて、
思わずダッシュしてしまいました。
アミーナの走りを見たリーナは、
その速さに感心して、
アミーナを陸上クラブにさそいます。
こうして、アミーナは、
陸上クラブに通いはじめました。
やがて、選手にえらばれ、
大会に出場することに。
しかし、アミーナは、
スパイクを持っていませんでした。
アミーナは、一生懸命
お金をためていましたが、
お母さんから、
いとこが病気になったと
知らせを受け、
お金をすべて
お母さんに送ってしまいます。
スパイクも買えず、
アミーナは、大会に出場するのを
あきらめていました。
しかし、当日、
リーナがけがで出場できなくなり、
自分のスパイクをアミーナに貸してくれます。
アミーナは、
リーナのスパイクを借りて出場し、
みごと2位になりました。
そして、副賞には、
なんとスパイクをもらったのです。
部屋にもどったアミーナは、
お母さんとお兄さんの写真にむかって、
メダルとスパイクをかかげてみせ、
「次は金メダルを」と
誓うのでした。
どんなにつらい状況にあっても、
懸命にがんばる彼らの勇姿から
学ぶものはたくさんあります。
恵まれた環境でいられることに感謝しながら、
彼らを見習ってがんばろうと
思ったオリンピックでした。
こうした選手たちの
がんばりが報道されることで、
難民について知る機会が
増えるのはもちろん、
スポーツを通して、
彼らをより身近な存在として
感じられるようになると
よいと思います。
次回の更新は、9月末の予定です。
閉幕しました。
選手たちのがんばりに勇気づけられ、
たくさんの感動をもらった
オリンピックでしたが、
なかでも印象に残ったのは、
陸上男子走り高跳びに出場した
シリアの選手です。
予選では、
連続して落下してしまいましたが、
ラストの一本で底力を見せました。
自分の母国シリアで、
戦闘に巻き込まれ、
苦しんでいる人々を
少しでもはげましたいと、
がんばったそうです。
みごと決勝に進み、
7位入賞をはたしました。
この選手は、
シリア代表として出場しましたが、
今回のオリンピックでは、
難民選手団も結成されて
話題をよびました。
難民にはなっていないものの、
日々、命の危険にさらされながら
練習を続けてきた選手もいます。
ライバルとして共に戦ってきた友人を
テロで亡くしたという、
イラクのある選手は、
彼のためにもがんばる、
と語っていました。
彼らの活躍は、
同じ境遇にある人たちの
支えとなるだけでなく、
わたしたちにとっても、
大きなはげましになり、
いろいろと考える機会を
与えてくれます。
今回は、そのような逆境にあっても
負けない選手の活躍にちなんで、
こんなおなはしをご紹介します。
"Spring, Amina!"
(「はしれ、アミーナ!」
Annelie Drewsen 作
Nypon社)
アミーナは、家族とはなれて、
ソマリアからたった一人、
スウェーデンに逃れてきた
難民の少女です。
ソマリアにいたときは、
日々、爆弾におびえていたので、
大きな音がすると、
反射的に走り出すくせがついていました。
アミーナのお兄さんは、
走るのが遅れたために、
死んでしまったのです。
ある日、スウェーデン人の友人のリーナと
町を歩いていたアミーナは、
大きな音におどろいて、
思わずダッシュしてしまいました。
アミーナの走りを見たリーナは、
その速さに感心して、
アミーナを陸上クラブにさそいます。
こうして、アミーナは、
陸上クラブに通いはじめました。
やがて、選手にえらばれ、
大会に出場することに。
しかし、アミーナは、
スパイクを持っていませんでした。
アミーナは、一生懸命
お金をためていましたが、
お母さんから、
いとこが病気になったと
知らせを受け、
お金をすべて
お母さんに送ってしまいます。
スパイクも買えず、
アミーナは、大会に出場するのを
あきらめていました。
しかし、当日、
リーナがけがで出場できなくなり、
自分のスパイクをアミーナに貸してくれます。
アミーナは、
リーナのスパイクを借りて出場し、
みごと2位になりました。
そして、副賞には、
なんとスパイクをもらったのです。
部屋にもどったアミーナは、
お母さんとお兄さんの写真にむかって、
メダルとスパイクをかかげてみせ、
「次は金メダルを」と
誓うのでした。
どんなにつらい状況にあっても、
懸命にがんばる彼らの勇姿から
学ぶものはたくさんあります。
恵まれた環境でいられることに感謝しながら、
彼らを見習ってがんばろうと
思ったオリンピックでした。
こうした選手たちの
がんばりが報道されることで、
難民について知る機会が
増えるのはもちろん、
スポーツを通して、
彼らをより身近な存在として
感じられるようになると
よいと思います。
次回の更新は、9月末の予定です。
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