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デザイン編 つづき

同じ模様を繰り返し用いる手法は、
絵本の中にもみられます。

表紙

"Silva och teservisen som fick fötter"
(「シルバと足の生えたティーセット」 
Sanna Tahvanainen 作 Sari Airola 絵 Schildts社)

この絵本では、
ティーカップやソファの布、
登場人物の衣服などに
同じ模様が繰り返し使われ、
統一感があります。


シルバのお母さんは、頭痛持ちで、
いつもソファで寝込んでいます。

お母さん寝込む


日常のしがらみから逃れて、
いなくなってしまえたら。
お母さんは、そんな思いから、
しばしば、自分の世界に
こもってしまうようになりました。


遊びにやってきた
シルバの友だちは、
そんなお母さんをみて、
おかしいといいます。

友だち来る

「おかしくなんかない」と、
必死に否定するシルバ。
アイスクリームをさしだして、
もてなそうとしますが、
友だちは、
さっさと帰ってしまいました。


繰り返し現れる、同じ模様が、
秩序からはみ出てしまった
お母さんとシルバの姿を、
くっきりと浮かび上がらせるようです。


お母さんの世界

シルバのとなりにすわって、
お茶を飲むお母さん。

でも、シルバのことを見てはいません。
お母さんはもう、自分だけの世界へ
こもってしまったのです。

そんなときは、シルバも、
さびしさをまぎらわすため、
自分の世界にこもることにしました。


Silvaの世界

家じゅうのティーセットを
ならべるシルバ。
お茶だけを残して、
みんな、どこかに出かけてしまった、
というつもりになってあそびます。


やがて、現実の世界にもどってきた
お母さんは、
お茶を入れようとして、
ティーセットが戸だなから
そっくりなくなっているのに
気がつきます。

タイトルの
"Silva och teservisen som fick fötter"
(「シルバと足の生えたティーセット」)
というのは、ここから来ています。


現実から逃れるように、
一人、ティーセットであそぶ
シルバの姿を見たお母さんは、
むすめもまた、
さびしい思いをしていたのだと
気づくのでした。


異質なものに対する無理解や、
同化できないことに対する、
孤独やかなしみといった
物語のテーマと、
同じ模様を繰り返し使った
絵とのコントラストが、
とても斬新な絵本です。




(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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