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絵本の中のバリアフリー

前回、ご紹介した
"Tyranno"の作者クリスティーナさんは、
こんな絵本も書いています。

Förbaskade träd!表紙

"Förbaskade träd!"
(「まったく、しょうのない木だな!」
クリスティーナ・ムライ・ブロディーン 作 
カタリーナ・ストレームゴルド 絵 
オパール社)

女の子とお父さんが
引っ越してきた家の庭には、
大きなかしの木がありました。

女の子は、この木が気に入って、
きのぼりをしたり、
いろんな生き物を見つけたりします。

でも、お父さんは、
家が暗くなるから、
木を切ってしまおうといい出します。


女の子とお父さん

絵から分かるように、
お父さんは車いすにのっています。

しかし、おはなしの中では、
お父さんが車いすにのっていることは、
まったく語られません。


"Tyranno"の絵本でも、
車いすの男の子や、
いろんな国の出身の子どもたち、
ショールをかぶった女の先生など、
さまざまなバックグラウンドを持った人たちが
絵の中に描きこまれていましたが、

幼稚園

彼らについて、おはなしの中で
特に焦点を当てて
語られることはありませんでした。

ただ、絵の中に、
ごくごく自然に登場しているのです。


いろんな国の人がいて、
いろんな家族の形があって、
いろんな障害をかかえた人がいて、
そうした人たちを
ありのまま描くことを、
作者のクリスティーナさんは、
一番大切にしているそうです。

だから、
ふつうとちがっているからといって、
特に言及したり、
文章の中で説明したりはしないんです。


"Tyranno"を出版している
ボンバート社も、
さまざまな人たちが登場する作品を
多く出版しています。

作家やイラストレーターに
作品を依頼するとき、
障害を持った子どもを
作品の中に描いてもらうよう、
お願いしているそうです。

いろんな人がいて、
みんなが自然と受け入れられる、
そんな社会をめざそうという思いが
こめられています。

どんな人も、ありのままいられる社会。
これこそ、まさしく、
究極のバリアフリー
といえるのではないでしょうか。


今回は、絵本を通して
バリアフリーを見ていきました。

次回は、
暮らしの中での
実際のバリアフリーについて
おはなししたいと思います。


次回の更新は、5月末頃の予定です。



(絵本の写真は、作者の許可を得て掲載しています。)
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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