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あたらしい場所でがんばる方々へ

今日、ご紹介するのは、さみしいときやつらいとき、勇気を与えてくれる絵本

"En liten fågel och en stor sång”
(「ことりのうた」 ペトラ・サーボ 作・絵 Opal社)

北の森で生まれそだったことりは、
動物たちとなかよく、楽しく暮らしていました。

北の森

やがて、夏がすぎ、冬がやってくる前に、
ことりは南の国へ渡らなくてはならなくなります。

泣く泣く、友だちと別れ、
北の森を後にしたことりは、
くる日もくる日もとびつづけました。

旅立ち

ようやく、南の国へつきました。
ことりは、長旅とかなしさでつかれはて、
そのまま、ねむってしまいました。


朝になり、目をさますと、
一本の大木のまわりに、たくさんの生き物が集まっていました。

今日は、大木の千歳の誕生日。
みんな、お祝いにやってきたのです。

大木

ことりは、大木の前に立ち、うたいはじめました。

なつかしい北の森のうたを。
うたっているあいだ、ことりはしあわせでした。

ことりのうたを聞いたみんなは、
声をあわせてうたいだします。

キリンは、キリンのうたを。
ゾウは、ゾウのうたを。

新しい友だち

みんなは、いっしょに千年のうたをうたい、
ことりには、あたらしい友だちができました。


作者のペトラ・サーボさんは、西ドイツ生まれで、移民としてスウェーデンにやってきました。
スウェーデンは、移民がとても多い国です。
近年は、特に、イラクやアフガニスタンからの移民が多く、難民として逃れてきた人々を積極的に受け入れてきました。
そうした移民たちへの支援も、いろいろと行われていますが、彼らがあたらしい暮らしになじむのは、簡単ではありません。


過去にとらわれてばかりではいけない。
でも、過去を忘れる必要はない。
思い出を大切にしながら、
あたらしい今を精いっぱい生きる。

自身も移民である作者は、そんな思いをことりに託したのかもしれません。



ことりのうた

うたっていると、ことりは、北の森にいるようなきもちになりました。
北の森にも、南の国にも、どちらにもいられるのでした。


故郷をはなれ、あたらしい場所でがんばっている方々へ、エールを送ってくれる絵本です。




北スウェーデンに暮らす生き物たち。

ヘラジカ

ヘラジカ


トナカイ

トナカイ (2)


ライチョウ

ライチョウ


ことりはきっと、彼らのこともうたってきかせたのでしょう。





(絵本の写真は、作者および出版社の許可を得て掲載しています。)
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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

きただい えりこ

Author:きただい えりこ
スウェーデンに留学し、児童文学と文芸創作を学ぶ。
現在は、スウェーデンの絵本・児童書の翻訳と紹介にたずさわる。
スウェーデン児童文学翻訳家。
よみうりカルチャー荻窪教室「絵本で学ぶスウェーデン語」講座講師。
日本の絵本・児童書をスウェーデン語に翻訳し、スウェーデンで紹介もしている。

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